南無遍昭金剛、桜佐久
奈良の山々に囲まれた谷あいにある由緒ある仏隆寺。子どもとふたり、桜を観に山を散歩。同行ふたり、いや三人。ここは空海の弟子だった賢恵が創建したお寺。
大和茶の発祥の地でもある。桜の脇にある参道の石段を登りながら桜を観ていると首が痛くなるほど、大きい。「大きいなぁ、父ちゃん、あっちの山から見た方がよぉ観えるんちゃう」と。参拝をすませて、お隣の岡からお花見をはじめた。子どもの直感はいつも的を得てするどい。
写真はその対面にある岡から撮った。鳥好きな子どもは「ちいさな鳥がたくさんいる」と双眼鏡で桜ではなく鳥をみていた、そんな思い出のある桜。対岸からみるとおかしくおもうこともある。いまこの国では隣国をどちらかというと悪くイメージしている。向こうが日本を悪く言うからだというが。
桜の花がわらうよ
さて死を覚悟してまで、空海はなぜ唐の国に渡ったのか。空海が再び日本に戻ってこれるように祈った山、再度山にも桜は咲く。そして帰国するさいに、中国からお茶の樹を持ってきた。それまでにも似た木があったことだろうが、お茶の文化を頂いたのはかの国からだ。そして空海ゆかりの再度山がある六甲山系にも茶畑がある。
ある人は「いまの中国は戦争のおかげで逃げ延びていた共産党員が作った最近できた国家で、むかしの中国ではない」と言う。でもなぁ、支配者が共産党員に成っただけで、そこに住んでいる民はかわりはしない。不思議なのだ、いま当たり前だとイメージしていることが本当なのかと。そんなこと言っていると桜の花がわらうようだが。
奈良は巨木が多いところで、桜をめでる人も多い地域。子どもはそんな人から「これ食べるか」といろいろなものを頂いてきた。奈良県宇陀には枝垂れ桜の名木も多い、山歩きをしていて楽しいところ。ただ枝垂れ桜はエドヒガンザクラとは開花時季が違うのでご注意を。
コピーペーストの桜が染井吉野
あまり桜に興味のない人は、ソメイヨシノが桜の全てだと勘違いしている。和歌にうたわれてきた桜はソメイヨシノではなく、このエドヒガンや山桜たち。江戸末期から明治に作られたソメイヨシノはたかだか100年くらいの歴史しかない桜なのだ。エドヒガンザクラとオオシマザクラの交配種がソメイヨシノで、この桜は種では増えない品種。つまりクローンで、たったひとつの桜の花から同じ花をコピーペースとしているだけ、だからいっぺんに同じように咲く。まぁ今の時代にあった桜ではある。
これまたお隣の国、朝鮮半島にも桜は咲く。ただ日本をイメージする桜を切り倒した地域もあると聴く、桜に罪はない。そして「日本のソメイヨシノのルーツは朝鮮半島だ」と言い放った人が居た。こうした喧嘩をうるような発言がほんまに困る。そんなもの今の時代、DNA判定すれば結果はわかること。朝鮮半島の桜はそこで咲く独自の桜で、日本のソメイヨシノと同じ桜ではない。事実をみないことをよしとするのもアジア人の良いところかもしれないけれど。そんな文化も50年経ったら変わる。
木の間なる 染井吉野の 白ほどの はかなき命 抱くはるかな 与謝野晶子
🌸季語としての桜
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桜の実が夏の季語
Cherry blossom桜の花言葉
「あなたに微笑む」「高尚な美しさ」
佛隆寺千年桜
推定樹齢は約900年。空海の高弟・賢恵が創建したと伝わる古刹佛隆寺境内に咲く。品種はヤマザクラとエドヒガンザクラの雑種であるモチヅキザクラの一種。
奈良県宇陀市榛原赤埴1684
千年桜満開日2016年4/8-10
観光客の方がわざわざ訪れてGood度(他府県からの観光)
℃+℃+℃+℃+℃(5個で満点)
千年の桜を観に行きませんか奈良仏隆寺 | 関西花の名所ザ・ベストテン
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