「おっちゃんはどこから来たの？」「この桜めずらしいの？」
そうか、この桜を毎年観なれているこの子どもたちにとっては、当たり前の桜。この桜の樹が大きいとか、そのさくら花が日本でもここにしかないめずらしいもの、という感覚はないんだろうなぁ。それでいいのだけれど。彼女らにとっては、この桜がさくらであり、関東でいう染井吉野のピンク色がサクラではないんだ。
あまりにも東京発のソメイヨシノ桜のお花見、ブルーシートの上で酒をくらってどんちゃん騒ぎをするピンク色の光景をテレビとやらでみせつけられた為に、あれは格好が悪いと誰しもおもう。当たり前のように自分の町の桜をめでることが、今の人の感覚として欠如しているのかもしれない。
ここだけに咲く白いさくら花
西日本の桜を観に行くことが多い。不思議なことにお酒を飲んでカラオケ歌ってみたいな、どんちゃん騒ぎをするお花見をあまり観た事が実はない。そんなもんである、文化とは日本全土にゆきわたってる訳でもない。桜のもとで遊ぶのが文化の町もあってもいい。そして桜はなにも下品なピンク色ではなく白い可憐な花なのもいい。この孤高の桜で紹介する桜は、ソメイヨシノの桜が生まれる前からこの国にほんに咲くさくらです。江戸末期から明治につくられた染井吉野はたかだか100年前後。クローン桜であるソメイヨシノは、寿命が短いものが多いのです。ただ100年ちかいソメイヨシノの大木もあります。
川でお花見が関西の定番
そのソメイヨシノ、関西でのお花見は川沿い咲くさくら花。滋賀の鮎川、安曇川、滋賀京都の疎水べり、京都桂川、大阪淀川べり、永楽ダム、兵庫は武庫川、夙川、芦屋川、戸賀川、加古川、円山川と川には染井吉野桜がつきもの。
関東ではお花見にバーベキューでお酒が文化のようだけれど、関西ではあまりバーベキューは馴染まない。特に雑なことはしないのが京都人に言わせれば、何それとなる。これもまた文化である。そして西日本では桜はピンク色した花びらではない。この桜のように白に近いのが桜。ピンク色しているのは桃の花に決まってる。関東の方が考えるあくまでもイメージですの桜はピンク色しているそうだけれど。
日本でここでしか出逢えない桜のお花見
大平桜、訪れたときはもう盛りはすぎていた。だけど散り際はこの桜、白い色がピンク色にもみえるから不思議。がくの色がさくら色なのか。さくらのとなりにある人家から幼い子が飛び出してきて、楽しそうに桜のもとで遊んでる。こんなおおきな木が近くにあると、いつも木の精に守られている感じがするだろうなぁ。
彼岸桜と山桜の両方の性質を持つ、一説には山桜の変種と言われているミスミオオヒラザクラと言う貴重な品種の桜の巨木。推定樹齢は700年近くあるという。1935（昭和10）年に天然紀念物指定を受けたが、その当時は11本の枝が伸びていたらしい。風雪、山火事や台風でいまでは4本の枝しか残っていないが、それでも桜の時季は美しく勇壮な姿をみせてくれる。
🌸季語としての桜
桜,染井吉野,山桜,おうか,桜の園,桜山,姥桜,若桜,家桜,庭桜,桜雨,桜月夜,嶺桜,夕桜,夜桜,朝桜,秋色桜,西行桜,楊貴妃桜,うず桜,左近の桜,しおり桜,犬桜,金剛桜,上澄桜,富士桜,ははか,豆桜,目白桜,江戸桜,丁字桜,南殿,深山桜,牡丹桜,初花,遅桜,八重桜,大山桜,枝垂桜,彼岸桜,江戸彼岸,大島桜,里桜が春の季語
桜の実が夏の季語
Cherry blossom桜の花言葉
「あなたに微笑む」「高尚な美しさ」
🌸三隅大平桜/ヤマザクラの変種で、日本にただ１本しかない珍しい木。推定樹齢は約700年。
浜田市三隅町矢原
ここだけに咲く白い三隅大平桜島根浜田 | 関西花の名所ザ・ベストテン
「おっちゃんはどこから来たの？」「この桜めずらしいの？」そうか、この桜を毎年観なれているこの子どもたちにとっては、当たり前の桜。この桜の樹が大きいとか、そのさくら花が日本でもここにしかないめずらしいもの、という感覚はないんだろうなぁ。彼岸桜と山桜の両方の性質を持つミスミオオヒラザクラと言う貴重な品種の三隅大平桜。