子どものころから学校の花壇の世話や畑で花を栽培していた。桜の花がはなから好きではなかったけれど、円山公園の枝垂れ桜を毎年春に観ていたから、なぜだか枝垂れ桜が好きになった。ソメイヨシノが男風な宝塚で、枝垂れ桜はきゃしゃだけれど強い女の子の桜とおもってる。
仕事で奈良和歌山三重をクルマでなんども往復していた春時季に、この桜を教えて貰った。それから仕事で通るたびに観ていた。だんだんとまわりの畑にも花が植えられるようになり、そして観にくる人も増えてきた。
巨木で花つきもよくて、満開のときには圧倒される。奈良は桜の名所が多い。太閤秀吉の時代から、奈良の桜は有名で秀吉は奈良から山桜を京都醍醐寺に移植したくらいだから。春の時季、クルマでまわっていると桜がよく目につく。それをうらやましく感じながら、仕事先をめざしてた。
こうした名も無い桜にも、地元のだれべえさんが植えたり、また樹勢が弱まってくると肥料を施したりと。そうして大切にされてきたのだろう。その気があるから、春にこうして、名も無いわたしたちの目を楽しませてくれる。
名も無い大宇陀の枝垂れ桜は、その後阪神大震災の平成７・1995年に「又兵衛桜」と命名された。黒田長政に仕えて、秀吉の朝鮮出兵で半島からの日本侵略に打ち勝った功績があったのが後藤又兵衛。彼の出身地が大宇陀のこの地だそうだが、あまりこの樹と彼が関係がある訳ではない。
個人的には名も無い枝垂れ桜の巨木であった方が良いんだけれど。
観光客の方がわざわざ訪れてGood度（他府県からの観光）
℃+℃+℃+℃+℃（5個で満点）
所在地/奈良県宇陀市大宇陀本郷〒633-2156
時間/24時間営業ライトアップは無し
又兵衛桜-大宇陀本郷
アクセス/近鉄榛原駅からバスで18分（奈良交通バス南口2・3番「大宇陀」行き）「大宇陀」終点下車から徒歩で20分
しだれ桜のベストテン
