阪神間は川沿いがソメイヨシノの名所ですよね
よく桜を愛でながら「アァこの桜を豊臣秀吉もご覧にならんれたんだぁ」なんて。確かに太閤秀吉さんがお花見の原点なんて言ってる文章もあるように、彼がお花見をした京都醍醐寺に行けばそうかもしれない
でも一般的に私たちが今桜といっているサクラは、最近できたもの。販売するために江戸時代に染井村で開発されたのが今のソメイヨシノのサクラ。接ぎ木で増やすために実がつかない。クローンなので、同じ自然条件ならほぼ同じように咲くと言われています。
家庭菜園をされている方ならわかると思いますが、トマトの苗などはナス台木と書かれたりしますよね。その方が強くて成長がいい。
クローンで同じ先祖ですから同時に咲くんですねぇ
ソメイヨシノはアオハダザクラという樹が土台。成長が早い樹なのでこの樹を使うそうです。すぐに成長して花を楽しめる。アオハダザクラは寿命が短い木なので、ソメイヨシノはだいたい50-60年が寿命で樹木としては短命だとも言われています。
現在、古くからソメイヨシノ桜の名所だった場所では、樹が衰えてきて後継の桜作りを考えているとか。私たちの目を楽しませてくれている桜の名所にも裏には、こうした人の手が施されていることにも感謝してお花見をしたいものです。
吉野の桜とは違うのがソメイ吉野
ソメイヨシノと名前がついているので、桜といえば奈良吉野の桜と言われる桜と同じだと勘違いしておられる人もいます。吉野の桜はヤマザクラ。太閤さんの時代はソメイヨシノは開発されていなかったので、わざわざ奈良吉野から山桜を醍醐寺さんへ移植した。言葉としては寄進かなぁ。
ソメイヨシノはその奈良の吉野桜にあやかって名付けたもの。一時期流行った名前ってあるでしょ、私の周りにもアキナちゃんやセイコちゃんがいますよ。私なんか垂れ目の犬にアキナちゃんと名付けて、ちょっとヒンシュクかったりもしましたけど。もちろん私は中森明菜さんの大ファンですょ。
神戸市内に流れる川沿いには、このソメイヨシノがよく植えられています。わざわざ遠方から観に来られる方は少ないでしょうが、水辺というのは人の気持ちをなぜか落ち着かせてくれるので散歩にはもってこいです。
妙法寺川沿いの桜は昔からのソメイヨシノの桜並木。ちなみに私はこの妙法寺川沿いにある高校に通ってましたから、その当時と比べて最近は少し花のつきが悪い樹があったりしますが。
板宿からこの川沿いは公園風になっているのでお花見弁当を食べるのも困りませんし、幸せそうに人が歩いて、犬も散歩してます。それが良いんですよね。
さくら祭や縁日屋台も出ています
ルートとしてはJR「鷹取駅」から高取山を正面に見ながら板宿へ上がるか、山陽電車・地下鉄「板宿駅」から須磨の海に向かって下りるかですね。私は飲み物やお弁当を調達するのなら板宿商店街が便利なのでこちらからのルートをお勧めします。
「イタヤド」という地名は菅原道眞公から来ていて、左遷された際にこの地に宿泊されることとなり、急遽板でお泊りになる宿を作ったからだと言われている珍しい地名です。飛梅伝説が有名ですが、飛松伝説というのもあり、この板宿の地の板宿八幡神社には道眞公を慕って飛んできた松、今は枯れてしまい土台だけですが、あります。
この八幡神社からの妙法寺川沿いの桜を愛でるのもなかなかいいですよ。ソメイヨシノの桜はこの神社と川を挟んで向かえ側のダイエーさんの辺りから川に沿って咲いています。またこの八幡神社横から六甲山系の横尾山へと向かう山道に桜などの木を今地元の方が植樹しています。私も植樹にいきました。春の山歩きの時には今では桜を楽しめますよ。