5分咲きがもっとも紅色というアヅマヒガン桜
「そのむかしなぁ、越前加賀やさかい、この山こえたむこうの福井のほうやわなぁ。そっから殿様が上洛のときに、何度も振り返ってこの桜を観たらしいわぁ。なんかなぁ燃えるような紅色の桜やろぉ、それと炎のような枝ぶりで勇壮やさかいなぁ。むかしから地区のひとに大切にされとんよぉ、この桜、えぇ桜やろぉ」
この近所・近江今津に住んでる親友のところへ行くついでに子どもと立ち寄り、お気に入りの桜。鉄道好きな子どもは湖西線をはしるサンダーバード、トワイライトエキスプレスに興奮してずっと電車を観てる。僕はこの桜を眺めにくるこの地域の人たちと話しこんでいた。「この桜はなぁ、満開の時はもう色もさえんのよぉ、そのまえ半分くらいかなぁの時が見頃よぉ。もう半分過ぎたけど、きょうもえぇ眺めやわぁ」と。
海津大崎は日本さくら名所100選にも選ばれソメイヨシノの名所としても有名
「お参りにもってきた酒やけど、あんたも飲み」とワンカップを差し出された。こうした桜の巨木近くに、なぜだか地区のお墓やお地蔵さんがある。このおじさんも、ご先祖さまに持って来たのだろう、それを「どうぞ」と。
このなんともいえない色の濃い桜は「アヅマヒガンザクラ」、樹齢はすくなくとも300年以上と言われている。ここマキノ町は、桜の名所でもある。ソメイヨシノの桜並木だが、大きく成った木は勢いがなくなってきて、いま新たに植樹をしている最中とお聴きした。
桜にはいろいろな品種があり、一般に桜のお花見といわれるのはせいぜい100年未満の桜のソメイヨシノという品種。これは種ができず接ぎ木でないと育たないともいわれ、それで同じようにいっせいに花をつける。100年以上の大木と成る桜は、古くから日本に存在する桜でソメイヨシノとは品種が違うので、もちろん咲く時季も大幅に違う。そのため海津大崎のお花見時季にはこの桜は散っていることもある。関西でのお花見の最後を飾るのが、ここ海津大崎のお花見とも言われている。
マキノ町はロマンの樹
メタセコイアの名所としても有名
京都への鯖街道がある比良山系は琵琶湖の西岸に壁をつくっている。みどり豊なこの地はドライブコース紹介には必ず登場するメタセコイアの並木道でも有名。もともと海外から輸入されたメタセコイアの樹、それを各地域へ移植した。いまでは大樹となり、関西では六甲山系の森林植物園にもこのメタセコイアがある。樹木のカタチが美しいので絵になる。マキノ町を訪れたなら、ここもぜひ寄ってみたい大樹の名所。
メタセコイアの起源は恐竜時代にまでさかのぼる。恐竜の化石と共にメタセコイアの化石がみつかっている。1945(昭和20)年までまぼろしの樹、メタセコイアと言われていた。それが中国の奥地でまだ生きているメタセコイアが発見され、話題に。その親木の種をアメリカで増殖。そして増殖されたメタセコイアの樹100本が、アメリカから日本各地へと植樹されたのです。それがこうして増え並木道としてわたしたちの目を楽しませてくれる。
雪とちる 比良のたかねの桜花 猶ふきかへせ志賀の浦かぜ 藤原定家
🌸季語としての桜
桜,染井吉野,山桜,おうか,桜の園,桜山,姥桜,若桜,家桜,庭桜,桜雨,桜月夜,嶺桜,夕桜,夜桜,朝桜,秋色桜,西行桜,楊貴妃桜,うず桜,左近の桜,しおり桜,犬桜,金剛桜,上澄桜,富士桜,ははか,豆桜,目白桜,江戸桜,丁字桜,南殿,深山桜,牡丹桜,初花,遅桜,八重桜,大山桜,枝垂桜,彼岸桜,江戸彼岸,大島桜,里桜が春の季語
桜の実が夏の季語
Cherry blossom桜の花言葉
「あなたに微笑む」「高尚な美しさ」
清水のみかえり桜
推定樹齢は約300年余り。高さ16m、幹の周囲6.4mと滋賀県内最大級と言われています。水上勉の小説『櫻守』でモチーフになっている桜です。「みかえり桜」の語源は、加賀藩主前田侯が上洛の折に何度も振り返り眺めたことから。
高島市マキノ町海津、大崎の桜並木よりも早く咲くのが「みかえり桜」です。5分咲きくらいが美しいので、早めのお花見をオススメいたします。
ビワイチに咲く一本の桜清水の見返り桜 | 関西花の名所ザ・ベストテン
「そのむかしなぁ、越前加賀やさかい、この山こえたむこうの福井のほうやわなぁ。そっから殿様が上洛のときに、何度も振り返ってこの桜を観たらしいわぁ。なんかなぁ燃えるような紅色の桜やろぉ、それと炎のような枝ぶりで勇壮やさかいなぁ。むかしから地区のひとに大切にされとんよぉ、この桜、えぇ桜やろぉ」@清水の見返り桜、滋賀マキノ町